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もう終わってしまった「アジア共同体」


 毎日jpによると

 「鳩山由紀夫首相は24日にタイ中部のフアヒンで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議など一連の会合で、自らが提唱する東アジア共同体構想に関して、米国の参加を求める考えを表明する。松野頼久官房副長官がバンコクに向かう政府専用機内で、同行記者団に明らかにした。」

 鳩山首相は、アジア共同体にアメリカを加えるそうである。アジアとアメリカは利害が違う部分があるからアジア共同体を作るのではなかったか。かれは自分の書いた論文でアメリカの過剰な政治的介入をアジア諸国が嫌がっていると書いていたはずだった。

 タイのアシピット首相は『朝日新聞』のインタビューで「米国はアジアではない。米国も加わるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の枠組みもある」と答え、朝日の記者は「米国の関与を歓迎しつつ共同体構想の対象外との考えを明確にした」と書いています。

 一方、アジアで「米国抜き」の構想を恐れたアメリカは、APECをアジアにおける多国間枠組みの中心に置こうとして、国務省のカートン・トンは「米国が参加するAPECこそが、最良で、最も確立された仕組みだ」と語っています。

 アジア共同体にアメリカを入れる事とAPECをそのまま使う事とどこが違うのだろうか。

 アシピット首相は「アジアとの関係強化を打ち出したことは大変喜ばしい。東アジア首脳会談などで日本の積極的な関与を楽しみにしている」とも語っているのに、これが幻滅に終わるのは確実だろう。
by masaya1967.7 | 2009-10-24 15:14
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