「緊張」に耐えられない日本人


 小林よしのりは『ゴーマニズム宣言』最新刊で鈴木宗男や佐藤優がロシアに対して北方領土問題を譲歩しようとするのと田原総一郎が拉致問題を棚上げにしようとしているのは同じじゃないかと、鋭い疑問を述べています。

 「田原総一郎なんかは拉致問題を『厄介ごと』としか思わず、根拠も無く『拉致被害者は全員死んでいる』と断言し、拉致問題を幕引きして北朝鮮におもねろうとした。」

 「佐藤(優)も日本の領土が『拉致された』という事実をないがしろにしてロシアにおもねり続けた人物なのだから」

 「不法占拠も拉致も、長期間続けば、日本国内では必ず、しびれをきらして『少しだけ返してくれればいいよ』といいだす売国奴が出てくる。」

 小林よしのりはなぜ鈴木宗男や田原総一郎が一方的に譲歩しようとするのか、その理由は書いていません。ここで話は少し飛びますが私が前から疑問に思っていた事があります。キッシンジャーが『外交』で次のように書いています。

 「ルーズベルトは、日本がこれを受諾する可能性は無いと知っていたに違いない。1941年12月7日、日露戦争の例にならって、日本は真珠湾に奇襲攻撃を行い、米太平洋艦隊の相当数を破壊した」

 私は小林よしのりが指摘した日本が外交で一方的に譲歩しようとする性向とキッシンジャーが指摘するように日本が戦争で先に攻撃を行うということは同じ物事の裏表ではないのかと思っています。外交や戦争直前では特にそれを行う人々にかなりの緊張感を強いるものである。そして私はどうも日本人は長期間にわたって緊張状態が続くことに耐えれない性癖があるのではないかと考えている。そこでこの緊張状態から開放する為に外交では一方的に譲歩したり、戦争では先に手を出すのではないかと思うのである。

 次のような仮説を立ててみました。

 「基本的に日本人は同質で安心・安全な社会に住んでいる。外国人が日本に来てびっくりするのは、日本人が平気でバスや電車で寝ていることである。彼らは日本人の事を何て無警戒なのだろうと考えているのである。しかし大多数の日本人にとってバスや電車で寝る事で何らかの危害を加えられるとは全く思っていないのである。ところが外交や戦争は基本的に「他者」と行うことである。当然それはかなりの緊張を伴うものであろう。バスや電車で寝るような感覚でやってしまうと必ず失敗するであろう。ところが大多数の日本人は国内での低緊張しか経験していないものだから外交や戦争直前の高度な緊張状態に慣れていないのである。どうしてもそのような緊張状態から早く開放されたいと思ってしまう。そこで外交では一方的に譲歩したり、戦争では先に手を出したりするのである」
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by masaya1967.7 | 2009-11-02 05:08
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