北朝鮮が一応核保有国になったことで、日本の周辺ではロシア、北朝鮮、中国、インド、パキスタンといった核保有国に包囲されることとなった。
日本も核武装をというかけ声も次第に大きくなってくるだろう。兵頭二十八氏も自身のブログ(http://sorceress.raindrop.jp/blog/)で日本のNPT脱退を説いている。 しかしながら、もし現在日本がNPT体制を脱退し核武装を始めたら、中国は北朝鮮の時とはうってかわって国連憲章第7章の武力行使を含む決議を提出してくるだろう。ロシアはおそらく賛成するだろうし、アメリカがそれに拒否権を使ってくれればよいが、実際どうかはわからない。北朝鮮で通らない決議が日本の場合では通ってしまう可能性があるのである。 日本が民主主義国であり、北朝鮮が独裁国家だから同じ核武装でも全く質的には違うのではないかという最もな意見に対しては私は次のように考えている。 戦前の満州事変に至る過程において、日本ではちゃんとした政党政治が続いていた。一方中国では軍閥が争いあう一方で蒋介石が北伐を開始し中国を統一しようとしていた。そのとき蒋介石が使ったテクニックが後の江沢民が使ったのと同じの反日政策であった。中国に住んでいた日本人は盛んに日本からの出兵を求めたのだ。結局軍部は我慢しきれなくなって満州事変を起こしてしまう。 アメリカの外交官であったアントワープ マクマリーが書いた『平和はいかにうしなわれたか』という名著にその時の状況が書かれているが、日本はその時代の国際法に忠実に行動していたのである。しかし満州事変以降、外国での日本に対する認識は急激に変化してしまった。 日本のような大国の行動はかなりの自制が求められるというのが、この時からの教訓なのである。
by masaya1967.7
| 2006-10-11 07:51
| 国際政治
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