6カ国協議が閉幕したので、ここで朝鮮問題のおさらいをしてみたい。
私は、北朝鮮による拉致問題も核問題も根本的に解決するには北朝鮮が崩壊した時しかないと思っている。ではいつ北朝鮮は無くなるのだろうか。 朝鮮半島の近代史をみていくと次のようなことがわかる。朝鮮半島が宗主国中国の手から離れ独立を達成したのは、日清戦争の後のことであった。日本に併合されたのは、日露戦争の結果であった。さらに南北に分断されたのは、日本の敗戦と米ソ冷戦の結果であった。このように韓国の体制が決まったのは周辺を囲む大国の争いの結果起こったことであって、朝鮮半島の事情によるものではない。 では、この歴史パターンを現代に当てはめた場合にはどのようなことが考えられるだろうか。一つ目はアメリカが米韓同盟を葬り去ってしまうことである。この場合は核武装した北朝鮮主導で統一が進むであろう。もう一つは中国が北朝鮮を見捨てる場合である。こちらの場合は韓国主導で統一が進むはずである。 このような歴史的(帰納的)な見方が不満な人には「比較」を使って説得してみたい。冷戦中分断していた国家が統一した例はわれわれの近くに2つ存在する。ベトナムとドイツの場合である。アメリカが支える南ベトナムと中・ソが支える北ベトナムが戦って、結局アメリカは支えきれなくなり撤退した。その結果北ベトナム主導で統一を達成したのだ。ドイツ統一の場合は、ゴルバチョフが登場し、東ドイツの住人が隣国を通って西ドイツに入ることを許可せざるを得なくなった。その結果東ドイツの住人がベルリンの壁を越えるのを東ドイツ当局も黙認せざるをえなかったのである。 これらの分裂した国家が統一を果たした場合において最も大きな影響があったのは周りの大国の事情であって、分裂した国の事情ではないのである。 よってもっとも可能性があるのは、中国においてゴルバチョフのような人が出てきて中朝の国境を本格的に解放すれば北朝鮮はもたないだろう。このことはファン・ジャンヨプ元書記もおっしゃっていたが、中国の頑迷のため氏はあきらめてしまったようだ。
by masaya1967.7
| 2007-07-21 00:43
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