The New Asian Hemisphere 1


 以前チベット問題が起こったときに、Kishore Mahbubani という人がニューズ・ウィークに書いたコラムを紹介したことがある。今回は彼の書いた最新刊 The New Asian Hemisphere (新しいアジア半球)を紹介してみたい。著者はインド系シンガポール人で元はシンガポールの外交官であり現在は国立シンガポール大学の教授をしている。

 この本の主題は中国やインドが経済的に発展を遂げこれまで以上に、国際政治や国際経済に占めるアジア諸国の比重が高まる上で、ヨーロッパやアメリカといった西欧諸国はアジアを受け入れるのだろうかそれともこれまでのように軽く扱うのだろうか、後者の場合は世界は安定しないだろうと説いている。

 もっと具体的にいえば、暗黙の了解として世界銀行のトップはアメリカ人でIMFのトップはヨーロッパ人という取り決めがある。このような状態をこれからも続けていっていいのだろうかという全うな疑問である。

 マブバニ(彼の名前はこの呼び方であっているのだろうか。間違っていたら御免)はアジアが経済的に発展したのは日本の影響が大きかったことを認めている。

 「半世紀前、アジアには西と東の端に2つの近代国家があるだけのように見えた。日本とイスラエルである。それらの間にはたくさんの人々が近代化と成長には無関心に暮らしていた。しかし日本の成功例はたくさんのアジア諸国の成功の引き金となった。最初に日本の成功は韓国、台湾、シンガポール、香港という4匹の龍に真似られた。そして中国がこれらの国々の成功をみて、「4つの近代化」という作業を始めた。そして中国の成功はインドの発展につながっていたのである」2ー3頁

 残念ながら、日本についてこの本に書かれていることはあまり多くはない。逆にインドと中国について多くのことが述べられている。そのことは別に問題ではないのだが、このインド系の著者もまた中国を高く評価するのである。
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by masaya1967.7 | 2008-06-09 21:02
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