アメリカ議会で金融安定化法案が否決されたことによって、株価指数であるSP500が9%近くも暴落している。これからどのような経済状態になるのだろうか。
三橋貴明氏の最新の本『ドル崩壊』に次のような指摘があった。 「円高になると輸出企業が苦しくなり、日本経済は悪化すると、まるで20年の常識を未だに信じ続けている日本人は多い。だが現実の日本といえば、アメリカに次ぎ世界で最も外需依存が小さい国である。信じられないかもしれないが、既に第2次産業が衰退したイギリスと比較しても外需依存は小さいのである」 アメリカはルービン財務長官が「強いドル」はアメリカの国益だと主張したように、どれだけ経常赤字が膨れてもドルの信認は揺らがないのだという態度をとってきた。それとは反対にデフレ状態の日本はゼロ金利が当たり前になっていたのである。ゼロ金利の日本でお金を借りてそれをドルに替えるといったキャリートレードが蔓延して、日本の円安を加速させてきた。 日本は1985年以来、円高恐怖症に陥っているが果たして円高は悪いことなのだろうか。一時ニュースになったことだが、オーストラリア人が北海道のニセコに大挙してやってきているという。彼らはスキー場に近いペンションを買いあさっているというのだ。これなどは豪ドルが円に対して高くなっているからできることだろう。一方円安の日本はいざなぎ景気より長い景気拡大を続けていたはずなのに世間から聞こえてくる声は暗い声ばかりなのである。 アメリカやヨーロッパの景気が悪化する中でドルやユーロは日本円に対して弱くなってくるだろう。「円高」になっても日本が不幸になることはないのである。さらに三橋氏の本で教えられたことなのだが「不吉なことに世界最大の米国債保有国である日本は、徐々に米国債の残高を減らし続けている。あまりメディアでは放送されないが、いつの間にか日本の米国債保有残高が世界に占める割合は25%をきってしまった」と書かれている。 経済面では徐々に米国離れが始まっているのである。
by masaya1967.7
| 2008-09-30 07:27
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