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ビッグ3救済法案廃案の謎

 アメリカの自動車会社BIG3救済法案が上院で廃案になった時、私はアメリカの「自由主義」イデオロギーが働いた結果だと思っていた。ところがどうも実際は全く違っていたようだ。

 今週のニューズ・ウィークによれば、上院で廃案に動いたのは南部出身の共和党議員であった。南部には日米自動車摩擦以来トヨタやホンダが現地工場を作っており、その土地の雇用や福祉に貢献している。現在では南部にはBMWや韓国の現代なども工場を建てており、BIG3に対してLITTLE8とよばれているらしい。トヨタなどは今回の不況でも従業員を首にすることも無く余った人材を役所の仕事を手伝うことまで提案しているという。(日本でも同じことをしろと私は言いたい)その結果、南部出身の議員はBIG3に有利な法案が通ることに怒っているのだという。

 アメリカの南北問題は厄介な問題である。南北戦争の時も農産品の輸出製品に頼る南部は自由貿易を求め、工業を発展させていた北部は保護貿易を求めるという対立が原因だった。今回の大統領選挙も南部はマケイン議員に入れていた。そして今回の問題をみるにつけアメリカは南北に分裂した方がうまくいくのではと思った次第である。
by masaya1967.7 | 2008-12-19 01:19
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