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北朝鮮から亡命した外交官コ・ヨンファンの分析

 今日の『産經新聞』に北朝鮮から亡命した外交官コ・ヨンファン氏の分析に同意することがあるのでここで感想を書いときます。

 「北朝鮮は以前は中ソ(当時)の矛盾を利用し実益を得る外交をしたが、今は米中の矛盾と軋轢を利用している。『我々が崩壊すれば中国との国境が危険になるのだから、われわれを支援しないはずは無い』という開き直りがあるのも事実だ」

 私はこの分析に100%同意します。しかし彼は結論として次のように書いています。

 「要求することは正々堂々と要求しなければならない。中国の北朝鮮に対する影響力は絶大である。北朝鮮が非核化をせず、緊張緩和にも踏み切らなければ『中朝友好協力相互援助条約』を破棄することも可能と通告することも出来るし、支援を中止することも出来る。超大国の中国が国際的ルールを外れ勝手に行動する北朝鮮に頭を下げる姿は見苦しい」

 コ氏は国連の安保理の北朝鮮決議で中国が賛成したことによって中国が北朝鮮にいよいよ圧力をかけるようになったとみているが、実際は国連決議に3週間もかかったのは、中国がこの決議をいかにして薄めることに腐心したあらわれに違いない。そこで中国が北朝鮮に圧力をかけるようになったと考えるのは間違いだと私は思う。

 結局中国は北が核武装しようが北朝鮮の生存が第一なのである。コ氏はまた「北朝鮮が『核保有国』になれば、日本も韓国も、核武装しなければならないだろう」とも書いている。これが実現しそうなとき、はじめて中国は北朝鮮の核を真剣に考えるようになるだろうが、これはアメリカが許さないから、中国は心置きなく北朝鮮に援助が出来るのである。
by masaya1967.7 | 2009-06-25 12:10
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