2008年 06月 10日 ( 1 )

The New Asian Hemisphere 2

 Mahbubaniはザカリアやカンナのような他のインド系知識人と同じく中国の外交などを高く評価している。特に彼はソ連邦と比べて国内が発達しないうちに民主化せずに先に経済を自由化させたトウ・ショウヘイをまれに見るプラグマティストと賞賛を惜しまないのである。

 彼は中国が将来経済的に発展してスムーズに民主的発展を遂げるための条件を語っている。

 「中国の指導者が指導者自身の福祉や選挙において自己の権力が無くなることを恐れるならば、中国で民主化することはおこらない。しかし、彼ら指導者が自身の福祉ではなく国家の福祉を先に考えるならば、何事も可能である」 143頁

 この問題は簡単にクリアできる問題なのだろうか。故司馬遼太郎が指摘したように、近代中国では「公」という概念が徹底的に欠けているのである。このような状態で国民の不満が高まったときに中国はどうするのだろうか。鳥居民氏は第2の天安門事件を予測している。一方スーザン・シャーク女史は『中国:危うい超大国』の中で、義和団事件のような無謀な対外戦争を予測しているのである。

 私にはどちらがおこるかはわからないが、Mahbubaniが賞賛するのは早すぎると思う。中国にとってこの問題はやっかいなのである。
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by masaya1967.7 | 2008-06-10 21:50