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『「脱日」する韓国』を読む。

 今回は毎日新聞記者である澤田克己氏が書いた『「脱日」する韓国』を書評してみたい。

 彼は韓国の「反日」について次のような仮説をたてて説明しようとする。
 
    1 儒教=朱子学の道徳指向性が「反日」の根源である。韓国は日本が「正しい歴史認識」を持たないこと、歴史に対して「正しい態度」で望んでないことに反発する。

    2 序列が上位のもの=力の強いものにより高い道徳性を求める儒教の徳治主義的伝統が「反日」の勢いを後押ししてきた。ただし強者に対する反発には、現実的な制約がある。特に冷戦時代は、生きていくために超えられない一線があった。

 ところが米ソ冷戦が終了した為に情勢が変わってしまったのだと著者は説く。

 『「冷戦の終わり」が、韓国社会を「脱日」に向かわせ、韓国を中国へと急速に引き寄せた原因になっていることは既に述べた。韓国は冷戦終結によって広い世界との接点を持てるようになった。それは、イデオロギーによる束縛から解放されることであり、民族の思いを高める結果を生んだ。冷戦終結後の民族感情の高揚というのは、世界中でみられた現象であり朝鮮半島が特別なのではない。ただ朝鮮半島においては南北分断という冷戦構造が残ったので、民族主義への思いが爆発的に高まる為には南北首脳会談という起爆剤が必要だったのである。』

 結果として次のことを予想するのである。

   盧武鉉政権の「反日」姿勢をみながら、「今までのように、そのうち現実的な友好路線への揺り戻しがあるはずだ」というのは希望的観測にすぎない。

 保守政権が出来ても、中国シフトから日米重視への揺り戻しが自動的におこることを期待してはいけない。

  日本がかって韓国社会でしめていた特別な地位を回復できるかは疑問である。

  澤田氏の分析、理論は現在の盧武鉉政権の成り立ちやここ10年間の韓国における出来事をみていくだけならすばらしいものであるのだが、それを将来にまで敷衍させていくのはいささか問題がある。
 それは韓国における「反日」の問題を朱子学的にとらえようとする方法にいささか問題があるからである。そこで次ぎにはこの問題を考えてみたい。
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by masaya1967.7 | 2006-08-02 05:27