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ファン・ジャンヨプ

 北朝鮮から亡命した、このブログにもたびたび登場するファン・ジャンヨプ氏が『朝鮮日報』に次のように語っています。

 「ファン・ジャンヨプ氏は『6カ国協議は米国務省の人々に給料を与えるためにやっていることではないのか』と冗談交じりに批判し、『米国は解決すべきことの本質が何なのか分からず、むなしい妄想を抱いている』と述べた。そして『米国がいたずらに北朝鮮の制裁を解かず放っておいたとしたら、今ごろ北朝鮮は白旗を揚げていただろう』」

 本当に彼の言うとおりだと思う。ブッシュ大統領という男は本当に無能だと感じるこの頃である。
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by masaya1967.7 | 2007-10-29 07:52

カミングス教授

 『朝鮮日報』より

 6・25 戦争(朝鮮戦争)の米国責任論を主張しているシカゴ大学のブルース・カミングス教授は、「北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記はブッシュ米大統領との対決で勝利した」と語った。カミングス教授は先日、インターネット・メディア「日本フォーカス」に寄稿した「金正日、ブッシュと対立し勝利する」という文で、「北朝鮮は1990年代から核開発計画を米国の援助や関係正常化と引き替えにすることを希望してきたが、あれほど望んでいたものを手にしている」と述べた。
 また、「ブッシュ政権は(北朝鮮の核問題解決に関し)北朝鮮に対する先制攻撃を考慮したが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の側近がブッシュ政権の官僚らに“韓国政府の反対にもかかわらず米国が北朝鮮を攻撃すれば、韓米同盟を崩壊させることになる”と言った」と明らかにした。カミングス教授はさらに、「韓国政府のリーダーたちは“米国がソウルとの協議なしに、またはソウルの拒否(veto)にもかかわらず北朝鮮を攻撃することはない”との確約を得ようとしたが、結局得られなかった」と主張した。

 そして、「北朝鮮が昨年10月に核実験を行ったのは、同年7月の北朝鮮のミサイル発射以降、中国が石油の供給を中止したことが原因」と分析した。「北朝鮮はかつて中国やソ連を利用したように、今度は米国を通じ中国をけん制することを望んでいる」と、同教授はみている。

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員
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 カミングス教授も指摘しているように北朝鮮はアメリカと中国を競争させようとしていることは以前に述べた。問題は北朝鮮がアメリカとの関係正常化のために核兵器を本当に放棄するかである。私は否定的である。北朝鮮内で経済の自由化が広がる中、体制を存続させるための力の象徴である核兵器を金正日が簡単に放棄するわけは無いであろう。

 さらに金正日が「日本人拉致者は一人もいない」と言った件について。今日関西テレビで評論家の青山繁晴氏が日本人拉致者がモンゴルにいるとの根拠不明の情報をしゃべっていた。この人は以前にも関西テレビで金正日がパリに亡命するという変な情報をわざわざパリまで出張して放送していた。

 金正日はアメリカと中国をバランスさせる政策を遂行中で、そんなときに日本はお呼びでないというのが彼の考えていることだろう。結局日本は時間がかかるかもしれないが日朝平壌宣言にそって行動していくことが最も理にかなった戦略なのである。
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by masaya1967.7 | 2007-10-20 14:10

南北朝鮮会談の謎

 日曜日の朝の政治番組で南北朝鮮の会談がとりあげられていた。朝鮮戦争の停戦協定で3カ国か4カ国の会談によって平和協定に持っていこうという項目があるのだが、この3カ国がどこの国を指すのかがはっきりしないのである。フジテレビではこの3カ国を韓国、北朝鮮、アメリカと言っていたが、テレビ朝日では中国、アメリカ、北朝鮮といっていた。これはどちらが正しいのだろうか。

 この問題で『朝鮮日報』は次のように書いていた。

 「南北首脳会談に同席した韓国側の複数の人物は、『“中国は今、朝鮮半島に軍隊を駐屯させてもいないのに、どうして参加させるのか”と金総書記が述べたため、“3者または4者”という表現で南北共同宣言に書かれることになった』と説明しているという。」

 正しかったのはフジテレビの方であった。前回のブログで私が書いたように、アメリカが”譲歩”することによって可能となった戦略関係は北朝鮮が中国とアメリカを競争させることだと指摘した。案の定、金正日は中国を袖にする戦略を展開中なのである。中国がもっと北朝鮮に寛大な態度をとらなければ、朝鮮半島の政治的対話から中国を外すぞという脅かしなのである。

 中国はどのような態度にであるのだろうか。援助を中断し、中朝国境を開放して北を崩壊させてほしいのだが、おそらくそのような戦略をとらず、逆に寛大に対処するだろう。北朝鮮の戦略がもう一歩で完成しそうである。

 そもそも北朝鮮がアメリカと中国を競争させるという、分不相応の戦略を始めたきっかけは、昨日フジテレビで竹村健一氏がいったように金正日がブッシュ大統領にこれから親米になりますという信書を出したことに始まる。アメリカもそれによりそれまで否定していた2カ国会談を始めてしまった。アメリカは本当に北朝鮮が「親米化」すると思っているのだろうか。金正日に自国を民主化する気などさらさらないであろう。金正日がそのような信書をブッシュに渡したのは、やはりニューズ・ウィークにマーカス・ノーランドが書いていたように国内経済が日米圧力政策で困窮していたからである。

 ところが、ブッシュ大統領もイラク戦争で身動きがとれず、北朝鮮の誘惑にとびついてしまったのである。北朝鮮が単純に「親米化」するわけが無いであろう。結局は北朝鮮が中国から譲歩をとるためのだしにアメリカは使われるだけなのである。
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by masaya1967.7 | 2007-10-08 14:33

『対北朝鮮・中国機密ファイル』を読む。

 『対北朝鮮・中国機密ファイル』を読んで、最近のアメリカの北朝鮮に対する譲歩の意味が解けたのでそれを報告してみたい。

 中国はアメリカの北朝鮮に対する譲歩を次のように考えている。

 「核実験後、アメリカの朝鮮に対する態度こそ強硬であるが、実質的な行動は何も起こしていない。最近の6カ国協議や米朝会談の場ではアメリカはめずらしく弱腰の姿勢を見せるようになり、朝鮮に対する金融資産の凍結解除を発表し、また朝鮮をテロ国家のブラックリストから外す意向があると明言している。これは明らかに中国と朝鮮を分断させる作戦である」 271頁

 「本音を言えば、アメリカも朝鮮の2者間の直接交渉を望んでいたのである。それによってアメリカは極東アジアでの影響力をさらに強めることができるからだ。しかし最終的には日本や韓国からの圧力によって対朝政策で歩調を合わせざるを得なかった」 277頁

 「中国の対朝政策は今苦しい選択を迫られている。アメリカなどに同調しこれ以上厳しく朝鮮を責めるのであれば、朝鮮をアメリカ側に寝がえらせることになってしまいかねない。だがこのまま核保有を認めてしまえば、今度は逆に首都北京を含めた天津、大連、青島といった北方地域が潜在的な脅威に晒されることになってしまうからだ」 273頁

 これらの文章からわかることは、アメリカが核武装をした北朝鮮に譲歩することによって、北朝鮮を中国の影響下から抜け出させコントロールしようというものであろう。しかしながらそうなれば中国も困るので北朝鮮に譲歩せざるを得なくなるだろう。結果として北朝鮮がアメリカと中国を競争させるという状態を生んでしまったのである。冷戦中、北朝鮮はソ連と中国を競争させて生き延びてきた。それが今度中国とアメリカに変わるのである。

 私は、朝鮮半島統一に至る段階としてデタントを考えていた。アメリカと日本が北朝鮮を承認して緊張緩和を達成させようとする試みである。しかしながらこのような状態を達成させるためには北朝鮮の核兵器の放棄と拉致問題の全面解決が必要であり、そのためには北朝鮮に圧力をかけなければならないという逆説が働いていた。

 しかしこれから始まる、北朝鮮がアメリカと中国を競争させるという図式は、バランス・オブ・パワーの一種で、これには拉致問題の解決も核放棄も必要ないのである。おそるべし金正日である。しかしこれにより東北アジアは若干の安定を迎えるかもしれない。

 さて日本の問題である。『対北朝鮮・中国機密ファイル』には次のように書いてある。

 「日本の外交政策はアメリカに追随し過ぎ、独自の判断も行動もできないのである。まさにアメリカの極東アジア戦略に従い、アメリカの思うままに働いた形だ。今となっては対朝関係を前に進めることも、逆に後退させることも難しくなってしまった」 298頁

 はたしてアメリカが北朝鮮に一方的に譲歩したことで日本も北朝鮮と無原則に国交正常化まで至ってしまうのだろうか。私は、北朝鮮が核実験をしたときにこれで日朝・平壌宣言は無効だから破棄してしまえばよいのにと思ったことがある。しかしアメリカの譲歩によって始まった新たな環境であの宣言文書は核の放棄を国交正常化の条件として記してある点で全く有意義な文書に変わってしまったのである。日本は自主外交ができるのである。恐るべし、小泉純一郎。
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by masaya1967.7 | 2007-10-04 05:06

ミャンマーと中国

  ミャンマーに最も影響力を持つ国は中国といわれている。では中国は今回の軍部の弾圧を歓迎したのだろうか。おそらく望ましいこととは思っていないはずである。それでも弾圧を止められなかったことが中国とミャンマーの関係性を象徴している。

 さらにアメリカなどが国連において制裁しようとしたときに、中国は反対の立場をとった。結果的に民衆を弾圧したミャンマーを擁護する中国という形となったのである。

 これって北朝鮮と中国の関係にとてもよく似ている。中国は北朝鮮の核実験に反対であった。しかし日本が国連で強硬な決議案を出そうとすると、中国は逆にそれを弱めようとして、核実験をした北朝鮮を擁護するという形となったのである。

 結局中国は、ミャンマーや北朝鮮といった国境を隣接する国家の意思を変えるというパワーはもっていないのである。それでもミャンマーや北朝鮮が窮地に陥ることは避けねばならなかった。

 やっぱりアジアが民主化するためには、中国の共産党が無くならなければならないのである。
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by masaya1967.7 | 2007-10-04 02:20