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アメリカと北朝鮮

 「シリア施設は北朝鮮が支援した秘密原子炉」と米が声明を出しました。これには二つのことが考えられます。一つはブッシュ政権が北との国交回復をあきらめたというもの。もう一つは正直に申告しろと北朝鮮に圧力をかけているという見方です。

 北朝鮮の外交政策ははっきりしている。核を持ったまま、中国とアメリカを天秤にかけるというものである。中国とアメリカを競争させる外交は核を放棄しても可能なのだが、北朝鮮が核を放棄することはいまのところ考えられない。

 したがってアメリカが北の核を認めるのかが唯一の争点となってくるのだが、今回の声明ではその点は明らかになっていない。

PS 重村教授曰く、アメリカは北との交渉に見切りを付けた。P.M 17;23
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by masaya1967.7 | 2008-04-25 09:03

映画『おおいなる陰謀(Lions for Lambs)』を見る。

 ロバート・レッドフォード監督のLions for Lambs という映画を見ました。以前見たロバート・レッドフォードとブラッド・ピットの『スパイ・ゲーム』が結構個人的に好きだったので、それの9.11バージョンと思って見に行ったのですが・・・・・

 『スパイ・ゲーム』のあらすじは確かこうでした。CIAのスパイであったブラッド・ピットが人権活動家であった昔の恋人を中国の牢獄から救おうとするのですが、逆に捕まってしまいます。もうすぐ定年を迎えようとするロバート・レッドフォードはブラッド・ピットの師匠であったために彼は元部下を助けようとします。しかしながら政治上層部は中国との摩擦をいやがり動こうとしません。そこでレッドフォードは大統領命令を偽造して特別部隊を勝手に動かして元部下を救いました。最後にCIAに別れを告げて車で疾走するシーンは印象的でした。

 Lions for Lambs は、『テロとの戦争』がうまくいかない様子を描いています。アメリカ大統領側近である上院議員のトム・クルーズはアフガニスタンでの一発逆転の作戦を考えだします。その作戦に派遣されるのが、カルフォルニア大学教授役のロバート・レッドフォードの教え子であった生徒2人です。一方はヒスパニックで、もう一方は黒人で努力しながらカリフォルニア大学に入学したものの世の中をもっと良くしたいと軍に志願するのです。

 トム・クルーズの作戦は大失敗に終わり、教え子二人はタリバンに囲まれてしまいます。ここで『スパイ・ゲーム』なら支援部隊が助けにいってめでたしめでたしで終わるのですが・・・・

 この結末では本当に救いがありません。
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by masaya1967.7 | 2008-04-24 01:23

『イランの核問題』と北朝鮮

 私は、北朝鮮の核問題を追い続けてきて未だに疑問が解けないことがある。それはアメリカや日本が安全を保障したり大規模な経済援助を行えば北朝鮮は本当に核兵器を放棄するのだろうかという問題である。

 今回私は、テレーズ・デルペシュというフランス人が書いた『イランの核問題』という本を読んだ。この本を読んでわかったことはイランが核兵器を持とうとする動機は北朝鮮とほとんど同じである。そこでこの両国の行動を比較することで上記の疑問に何らかの答えが出るのではと考えた次第である。

 デルペシュによれば、イランが核兵器の開発を最初に決意したのは1970年代のシャー時代であり、その方針を再確認したのはイラン・イラク戦争の最中であった。そしてウクライナやキルギスで革命が起きた後、中央アジア諸国の政権の動きを見てイランの権力者は締め付けを一層厳しくする必要を感じた。そのことがアフマディネジャド大統領の就任につながっていく。結局イランは自己の体制を守るために核武装を選択したのである。

 「イランの聖職者やアフマシネジャドがなんとしても避けたいと願っているのは実はアメリカとの武力衝突にほかならない。」(77頁)そこで「欧米型の民主主義国は対決姿勢を選んだ独裁体制にはたちむかうことができない」(25頁)ということを知っているイランはヨーロッパとの交渉を選んだが、着々と既成事実を積み重ねているのが現状である。

 北朝鮮もアメリカとの戦争を何があっても避けようと考えていたし、日本や韓国が戦争に反対だったことを知っていたはずである。このようにアメリカとそれ以外の民主主義国の意思の乖離を利用して北は核実験までいったのである。デルペシュはイランもどうしても核兵器が欲しいのだと推測している。

 北朝鮮とイランの情勢が全て同じというわけではない。特にイスラエルの存在は東北アジアにはない変数である。イスラエルはヨーロッパの民主主義国とは違って戦う意思をはっきり持っている。イランが核開発に成功するためにはイスラエルとそれを支持するアメリカがどうするかにかかっているのだろう。

 それにしてもブッシュ大統領がイラン、イラク、北朝鮮を悪の枢軸と指摘したのは本当に正しかった。しかし核開発のスピードからして最も優先順位が高かったのは北朝鮮であり、次にイランで最後がイラクであった。アメリカがイラクを攻撃せず、北朝鮮の核開発に対して恫喝をかけていたらどうなったのだろうか。イランも北朝鮮もアメリカと戦うことを恐れていたのだから、それなりの効果はあったはずである。しかしイラク戦争が泥沼になったことによりイランや北朝鮮の核開発を加速させてしまったのである。

 結局北朝鮮は核兵器の保有が目的であって、交渉で解決する性質のものではなかったのである。

 PS 核武装した北朝鮮ではあるが今年も農産物が大幅に不足するらしい。体制維持のための核兵器は役にたつのだろうか。
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by masaya1967.7 | 2008-04-19 07:35

中国でデモ

 朝日新聞より

 中国チベット自治区の騒乱をめぐり、欧米で広がる対中批判に中国国内で反発が強まり、国内で抗議デモが計画されている。当局も黙認する構えで、今後さらに広がる気配だ。欧州各地でも19日、現地の中国人が一斉に抗議行動を起こす予定がある。ナショナリズムの高まりを背景に、中国側が巻き返しに出る格好だ。
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 out of control になる予感。
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by masaya1967.7 | 2008-04-18 10:48

"DAYDREAM BELIEVERS"を読む

 今回はフレッド・カプランという人が書いた、『デイドリーム・ビリーバーズ』という本を読んだ。カプランによれば、ブッシュ政権の多くの間違いは9.11事件で世界が180度変わってしまったと認識したことにあるという。

 しかし世界が本当に変わったのはそれよりも10年前の冷戦が終わったときにさかのぼるのだと彼は主張する。では冷戦が終わったことでアメリカは単独の勝利者として世界に君臨できるのだろうか。それが可能だと考えたのがウォルフォウィッツを筆頭とするネオコン達だった。ウォルフォウィッツは、はやくもブッシュ・パパ大統領時代に有名な戦略文書を書いている。その内容はアメリカの地政学上の大目的は敵対国が世界のある地域を独占することを阻止すること、さらに他の先進工業諸国がアメリカのリーダーシップに挑戦することを防ぐことにあるというものだった。この考え方はブッシュ・パパ時代にはメディアから非難されいったんお蔵入りになったものの、9.11以降に再びもたげてくるのである。

 一方ブッシュ大統領はこのような考え方を全然持っていなかった。彼の外交指南役だったライス女史は大統領選挙中にフォーリン・アフェアーズに寄稿しているが、そこに書かれていることは冷戦中に作られた同盟をこれからも維持していくことを主張し、中国がどのように動いていくかを注目していこうとするという平凡なものであった。ブッシュ大統領がアメリカの単独覇権を狙っていることは全くなかったのである。

 アメリカで9.11テロ事件が起こったときにブッシュ大統領の意識に大きな変化が起こったようだ。カプランによれば9.11以降ブッシュの外交演説には自由と民主主義の拡大が含まれるようになったという。そしてこのブッシュの考え方とネオコンの単独覇権がドッキングしたのがイラク戦争であった。ライス国務長官いわく、今までアメリカは中東に関して安定のために自由と民主を犠牲にしてきたが、結局は両方とも達成することができなかった。そこでこれからは自由と民主を追求するのだ、と。

 しかしながらイラク戦争は悲惨な状態になってしまった。さらにあれだけ自由と民主を強調していたはずのブッシュ政権は、それとは正反対の金正日政権と話し合いを行わなければなくなり、アメリカ外交は一貫性のないものになってしまったのである。
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by masaya1967.7 | 2008-04-14 19:38

聖火ランナー抗議デモで思うこと。

 イギリス、フランスでの中国オリンピック聖火ランナーに抗議する行動をみて2つのことを感じた。やはり中国がチベットに対してとった行動は現在の国際社会の基準からみて、受けいられないということ。もう一つはやっぱりヨーロッパの人たちは今でも東洋人が嫌いなのではないか。

 中国は中華思想のせいか、これまでのどこの開催国よりも聖火ランナーが走る距離を拡大させたらしい。おそらく中国首脳はこのことを後悔していると思う。中華思想は必ず何らかの形でbacklashを伴う。

 中国は今回のチベット弾圧でいつものごとく報道を規制した。そこで中国国内の人々は偏向した西側の報道に対して大変な不満を持っている。ベオグラードの大使館爆撃事件で中国民衆はアメリカ大使館を焼き討ちにし、反日暴動では日本大使館を血祭りに上げた。今度はどこの大使館が犠牲になるのだろうか。中国指導部は眠れない夜を過ごすのだろう。

 人の嫌がることはしないという福田総理が昨日の党首討論で小沢党首に対して切れまくっていた。今度の胡錦濤主席が来日する時もその調子でやってほしい。
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by masaya1967.7 | 2008-04-10 04:45