<   2009年 09月 ( 16 )   > この月の画像一覧

これからの自民党

 9/5の『朝日新聞』でパリ政治学院のジャンマリ・ブイスという人が「自民党が分裂した結果生まれただけの細川政権と全く異なり、今回の民主党には有権者によって選ばれた正統性がある。党内で左右の勢力が共存してきた経験もあり、細川政権のようには分裂しない。長期政権を担う用意ができている。一方自民党は02年の大統領選敗北後のフランス社会党のように求心力を失い、分裂するかもしれない。」と語っています。

 一方今月号の『正論』で遠藤浩一氏は、次のように書いています。

 「少なくとも、『戦後レジームからの脱却』を求める勢力と、『そのお陰で戦後日本がある』と嘯く勢力が共存するようでは、訴求力のある政策は提示しえまい。保守政党としての理念を確立し、政界を再編成することが第1に求められる」

 麻生政権の例で言えば、マスコミなどでおもいっきり足を引っ張っていたのは加藤紘一であった。やっぱり国家観が違うとなかなか一緒にやっていくのは無理みたいだ。自民党は本来の保守政党に戻るためにやはり分裂するのはやむを得ないのではないか。

 そうすればブイス氏がいうように「自民党と民主党の政策の違いは、米国の共和、民主両党の違いに似ている。経済や環境の政策、企業重視か消費者重視か、などで両者のスタンスは明確に異なる。最終的には、日本にも米国のような2大政党制が定着する」ようになるかもしれない。
[PR]
by masaya1967.7 | 2009-09-06 22:39

日本の8.30革命

 ロンドン・エコノミストに次のような文章が載っていました。

 「数々の落胆の後で、日本の高貯蓄、低犯罪率、ハイテク工業、創造性を無視するのは簡単である。日本の謎は、たまに彼らは数年、数十年、時には数世紀をかけて遠回りをし、最後に創造性と再発見を爆発させるのである。政治的一枚岩を倒したら、深みのある市民の活動が解き放たれた、今回の選挙はそのようなものであったのかもしれない。それを確実にするには民主党が大胆に進むことによって可能となるだろう。」

 私は今回の選挙前にアメリカの外交官アントワープ・マクマリーの「日本人は我慢に我慢を重ねて最後に突然キレてしまう」という観察を書きましたが、同じようなことをイギリスのチャーチル首相も回顧録に書いていました。今回の衆議院選挙に対してエコノミストは彼らと同じような感想を持ったのでした。

 何故、日本人はギリギリにならないと行動を起こさないのでしょうか。やはり日本の一般大衆は保守的なのでしょう。エマニュエル・トッドは識字率が高まると人間は保守的になると語っていますが、韓国の『中央日報』は日本の非識字率は1%以下と書いていました。日本人は革命的な事はあまり好きではないみたいです。私は自社さ政権の頃に自民党に絶望しましたが、日本の民衆はそれから後も自民党に投票し続けました。そして全ての選択肢が無くなったところで民主党に投票したのでした。

 マクマリーやチャーチルがこのような日本人の態度に驚いたのには日本の真珠湾攻撃にありましたが、今回の8.30選挙と同じような特徴があります。欧米のメディアは、日本人は戦後から50年以上も続いた自民党政権を倒したのに全然熱狂的になっていないと書いていました。これは真珠湾攻撃が行われた後、いろいろな作家が日記などで「スッとした」と書いてましたが、今回の選挙にも同じような感覚があると思われます。

 今回の「真珠湾攻撃」に日本は勝てるのでしょうか。
[PR]
by masaya1967.7 | 2009-09-05 08:07

鳩山論文に対するアメリカの反応。

 以前からこのブログで鳩山由紀夫と祖父・一郎の類似性を指摘していたのだが、由起夫氏が書いた論文を巡るアメリカの反応が祖父一郎氏の時代とそっくりであることを指摘したい。

 片岡鉄哉先生の『さらば吉田茂』に次のようなくだりがある。

 「ワシントンがおかんむりであることをあからさまに意思表示したのが、3月に発売されたタイム誌であった。そのカバー・ストーリーは鳩山であった。これは文芸春秋が全文を翻訳し『いうことをきかなくなった鳩山一郎下の日本』という冷やかし半分の題をつけて掲載している」

 その記事の一部を抜粋すると、

 「鳩山の勝利は、単に人が変わるよりももっと深い意味がある。自由党を投げ出すことによって、日本人はシンボルを投げ出したのである。それは10年間も米占領軍の命令と示唆にいうなりになった政権をさす。」(226頁)

 これは次のような現代語訳が可能である。「鳩山の勝利は、単に人が変わるよりももっと深い意味がある。自民党を投げ出すことによって、日本人はシンボルを投げ出したのである。それは50年間も米国の命令と示唆にいうなりになった政権を指す。」

 次の部分も重要である。

 「これまで最も効き目があった選挙公約から判断すると、広島と降伏から10年経っての日本人の最大の望みは、2つの世界を股にかけることらしい。彼らは・・・中立を希望している。しかし日本が現在ある立場と地位からして、彼らは木と紙でできた家にふきつける怒りの風をさける術も無いのだ。」

 鳩山一郎総理の時代における2つの世界は、アメリカとソ連であったが、由起夫の時代になるとこれがアメリカと中国になるのであった。木と紙で出来た家うんぬんに対するものはワシントン・ポストでは北朝鮮の核兵器に変わっていた。

 それにしてもアメリカの鳩山家の祖父と孫に反応する仕方が同じなのは少しおもしろい気がする。

 鳩山一郎総理は結局アメリカと(特にダレス国務長官)ぶつかって辞任せざるを得なかった。孫はそれを乗り越えられるのだろうか。
[PR]
by masaya1967.7 | 2009-09-04 02:44

アフガニスタン

 ジョージ・ウイルというABCテレビのThis Weekなどに登場する保守系のコラムニストが、アメリカはアフガニスタンから撤退せよと主張しています。

 So, instead, forces should be substantially reduced to serve a comprehensively revised policy: America should do only what can be done from offshore, using intelligence, drones, cruise missiles, airstrikes and small, potent Special Forces units, concentrating on the porous 1,500-mile border with Pakistan, a nation that actually matters.(アメリカは派遣する軍の数を減らし、修正された政策を遂行せよ。アメリカはオフショア(海岸)から出来ることを行え。諜報、無人偵察機、クルーズ・ミサイルや空爆また実力のあるスペシャル・フォースを用い、パキスタンに接する1500マイルの国境に集中させよ。)

 オバマ大統領のもう一つの公約である、国民健康保険の方もあまりうまくいっていないようである。このままでは1期4年の大統領になってしまうかもしれない。
[PR]
by masaya1967.7 | 2009-09-02 00:37

鳩山論文

 ニューヨーク・タイムズに載った鳩山次期首相の書いた A New Path for Japan を抄訳してみました。

 冷戦が終わってから、日本はグローバリゼーションという市場原理主義の波にのまれている。

 いかに日本は市場原理主義の悪影響からのがれられるだろうか。

 友愛精神に戻るしかない。

 最近の経済危機はアメリカ式の市場原理主義が他国の伝統や歴史を無視した過程で起こしたものである。

 各国の経済秩序はその国の歴史と伝統からできている。しかしグローバリゼーションはそれらを破壊した。

 友愛主義では農業や環境、医療をグローバリズムの影響だけに任せるわけにはいかない。

 次の友愛という言葉から生まれるテーマは、東アジア共同体である。もちろん日米同盟は大事だが。

 しかし、我々の場所とアイデンティティーはアジアにある。我々はアジアに対して経済協力と安全保障の秩序を作らなければならない。

 アメリカのイラク戦争における失敗と経済危機で、我々は今多極化する時代にいる。

 アメリカはこれから2,30年間は先頭を走る国家であろう。一方中国も大国になってきている。

 この2つの大国に挟まれる日本はいかに独立をたもっていけばよいのだろうか。東南アジア諸国はアメリカの軍事力は地域の安定を保つものとして歓迎しているが、アメリカの過度の政治的影響力は受けたくないと思っている。また中国からの軍事的な影響に脅威を感じてもいる。

 アジアではマルクス主義やグローバリズムは停滞しているが、ナショナリズムが勃興している。

 いかに我々は各国のナショナリズムを抑制して、アジアにおいてルールに根ざした経済協力と安全保障の秩序を作ることが出来るのだろうか。

 さらに我々はアジアにおいて共通の通貨を作らなければならない。

 しかしアジアには領土問題などのさまざまな摩擦が存在する。これを2国間交渉だけでは解決できない。このような問題は地域の統合を加速しながら解決するしか無い。

 この方法こそ日本国憲法の平和主義を体現する方法だと思う。
[PR]
by masaya1967.7 | 2009-09-01 05:11

自民党とは何だったのか。

 自民党が衆議院選挙で負けたことを契機として、自民党とは一体どのような政党であったかを復習してみたい。故片岡鉄哉先生は次のように書いています。

 「自民党とは、吉田の『平和主義』と官僚主義を封じ込める為に、政友会の党人が考案した政党組織なのである。その旗印は、いうまでもない。憲法改正、不平等条約改正、再軍備、自主外交、占領行き過ぎ是正であった。」

 私も、これらのアジェンダには全て賛成である。また

 「では自民党のレーゾンデートルとはなにか。自民党が党として果たす機能とは何なのか。肝心要の機能とは何か。
 それは安保体制を握り、運営することである。この機能に関しては、鳩山派と吉田派が必ず一致団結して、社会党の攻撃から身を守るのである。それ以外の争点、例えば憲法については自民党は割れるがこと安保になると団結するのである。
 言葉を変えて言うと、自民党は占領の落とし子である政治3極構造を前提として成り立つ。鳩山派と吉田派が安保を守り、吉田派と社会党が憲法を守る。これで3極構造が成り立つ。」

 本来なら冷戦が終わった後で自民党の吉田派の流れを汲むものと、鳩山派の流れを汲むものが分裂すべきであった。そうすれば日本の政治はもっとすっきりしたものになったであろう。ところが自民党は権力維持の為に社会党と連立を組んでしまうのであった。

 今回、自民党は野党になったのだから、自民党の原点である憲法改正などの保守の原点に戻って欲しい。その為にも私は「分裂」することも恐れるなといいたい。ここで自民党が安倍晋三的なものと加藤紘一的なものが結びついたままだと、民主党と同じく訳の分からない政党が日本に2つ存在するだけになってしまう。そうすると永遠に政界再編が出来なくなる恐れがあるのだ。
[PR]
by masaya1967.7 | 2009-09-01 00:28