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麻生首相の外交センス

 
 『朝鮮日報』によれば、6/28におこなわれた麻生首相と韓国のイ・ミョンバク大統領との首脳会談で麻生首相が「北朝鮮の核問題が深刻化すれば、(日本)国内で核武装すべきだという声が強まる」と述べたそうである。

 韓国政府はその発言を「日本が核武装をする意思を示したというよりも、『北朝鮮の核保有をしっかり抑止してほしい』というメッセージを米中に投げかけたものとみるべきだと述べた。つまり、米中が事実上核保有を黙認したインド、パキスタンのようなモデルを北朝鮮に適用すべきではない、とする事前警告の意味合いがあるということだ。」と解釈しているが、私はこの解釈を正しいと思っている。

 私は以前からクリントン国務長官が北朝鮮の核を認めてしまうのではないかと懸念していたが、この頃ははっきりと北朝鮮の核を認めないと述べている。麻生首相の発言の影響がどこまで作用しているかははっきりしないが、一定の評価はできると思う。一方日本の核武装を嫌がる中国がどう考えているのかは今のところわからない。

 ところで麻生首相の発言を聞いていて思うのは、祖父の吉田茂が始めたアメリカに過度に依存した吉田ドクトリンは「永遠だ」と思っている節がある。だから小沢一郎が日本の防衛は第7艦隊で十分だと言ったことに対してすぐに批判したのである。彼は対「官僚」の問題でも現在のままでうまくやれると思っているのだ。Status Quo(現状維持)が正しいと感じているのだろう。そこが私にとって不満である。
by masaya1967.7 | 2009-08-03 01:47
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