おとといフォーリン アフェアーズの11、12月号がとどきました。今季の注目すべき論考は、ニクソン政権のメルビン レアード元国防長官が書いたものです。 およそ次のようなことが書いてありました。彼はベトナム戦争において50万人の米兵を撤退させたことがアメリカの敗北を決定づけたものではないことを強調し、米国議会が南ベトナム支援の要請をアメリカ兵の撤退後に否定してしまったことが決定的だったというのです。いわゆる戦争の「ヴェトナミゼーション」は正しい政策だったいうのです。 よってイラクにおいてもイラク人の兵隊を訓練すると同時にアメリカ兵の撤退を行う「イラキゼーション」計画がうまくいけば、イラク戦争がベトナム戦争の二の舞になることを避けることができるというのです。 短期的に考えればこの議論に説得性はあると思う。しかし長期的に考えればスンニ派、シーア派、クルド人が一体となって国家をうまく運営していくことが可能なのであろうか。チャールズ カプチャンは同じ号のフォーリン アフェアーズにおいて、コソボがセルビアから独立をした方がバルカンの政治は安定するのだと書いていたが、イラクにおいても将来は分裂していくことを考えていた方がよいと思う。 結局アメリカの戦争は中東におけるパンドラの箱を開けてしまったことにあると思う。
by masaya1967.7
| 2005-11-04 06:45
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