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『本当はヤバイ!韓国経済』を読む。

久しぶりに韓国関係で面白い本を読んだ。三橋貴明著の『本当はヤバイ!韓国経済』である。この本のユニークなところは、経常収支や資本収支などの一見取っ付きにくい国際経済用語を韓国経済を例にとりながら解説しているところで、この本を読めば韓国経済の知識が増えると同時に国際経済の用語も著者の言うようにリアリティーをもって学べるところである。

 韓国経済は皆さんもご承知のように、IMFの指導を受けるようになったが、サムスンの活躍もあって、私などはてっきり韓国経済の足腰は強くなったのだと思っていた。ところが三橋氏の分析によれば全く違うのである。韓国経済の国際収支で最も目につくことは「その他投資収支」という項目の以上な黒字の大きさである。これは何を意味しているかといえば短期的な資金の借り入れを意味している。(アジア通貨危機から何も学んでいないのではないか)さらにこの短期借り入れの中心にあるのが、日本の円を低金利で借りるキャリー・トレードである。

 ところがアメリカのサブプライム・ローンの破綻で急激に円高が進んでいる。これで最も困っているのが、アメリカでも日本でもなく韓国である。さらに円高が進んでしまえば韓国は日本からの借金を返せなくなるかもしれない。そうなったらまたIMFの二の舞いになってしまうのである。

 
by masaya1967.7 | 2007-08-31 15:21
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