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『北朝鮮vsアメリカ』を読む。

原田武夫という元外務官僚が書いた『北朝鮮vsアメリカ』という本を読んだ。彼によれば手島龍一氏が書いた『ウルトラ・ダラー』の内容は怪しいという、どうも北朝鮮には高度な偽札を作る能力は無いというのだ。原田氏はその反論をヨーロッパのジャーナリストの新聞記事を引用して書いているのだが、その内容にはかなりの信憑性があると私には思われる。というのも、紙幣の印刷技術は欧州の独壇場であってアメリカも欧州のテクノロジーを借りないと成り立たないのだ。

 では、何故アメリカは突然6カ国協議の場で、偽札問題などを持ち込んできたのだろうか。どうもアメリカ国内での政策対立があるとしか思えないのである。偽札問題を必死にアメリカ側で主張していたのはデビッド・アッシャー氏であったが、この本を読む限り彼の思考はネオコンのそれであった。結局はネオコンの退場とともにアッシャー氏も退場したのだった。

 ライス国務長官が北朝鮮との交渉をまとめたいとの思惑をもっていることは確かであろう。つい最近BBCで聞いたのだが、アメリカの人権局の役人が北朝鮮が核兵器を放棄する気は全くないだろうと発言して、ライス長官が怒ったという。アメリカは北が核兵器をもったまま国交を回復するのだろうか。
by masaya1967.7 | 2008-01-27 06:55
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