現在のアメリカの苦境を以前から指摘していたアメリカで話題になっているピーター・シフという人が書いた Bull Moves in Bear Markets という本を読んでみました。
「アメリカではこれからインフレが顕著になってくる、下手をすればハイパー・インフレになるかもしれない。」 「ドルの信認は地に落ちた。これからは金、コモディティー、アメリカ以外の先進国の株に投資すべきである。」 「アメリカ経済はサービス分野に偏りすぎた。これからはもう一度もの作りに戻るべきである。」 「アメリカの消費の仕方は間違っている。貯金して品物を買うのではなくクレディット・カードの繰り延べ払いを利用している為に過大な出費をしていることになる。」 「これからは給料の一部を強制的に貯蓄にまわすべきだ。」 このようなことを主張しており、日本人である私には納得できる話ばかりでしたが、これからおこるインフレに対しては疑問があります。彼がこの本を書いた時は確かに石油価格や商品価格が高騰しインフレ懸念が顕著だったのだが、現在は沈静化しているからである。これから本当に彼の主張するインフレが起こるかどうか注目していきたいと思います。 ところで彼は戦前の大恐慌にいたる過程を次のように書いています。 「1921年から1929年のアメリカの株価上昇はとてつもないブル・マーケットであった。アメリカの歴史ではこれ以上のマーケットはなかった。ところがおもしろいことに物価の上昇はほとんどなかったのである。」 さらに大恐慌が起こってからは 「大恐慌中唯一の明るい材料は物価が毎年下がっていた為、生活を維持するコストが低下していったことだ。」 彼の書いていることは日本の1980年代と1990年代の姿と全く同じであったことが確認できます。そして日本もアメリカもそれまで輸出主導であった経済が内需主導に変わっていったことも共通しています。この二つの例から言えることは経済の体質を変えるのには長期間かかることであり、その間は低成長を覚悟しなければいけないということです。 アメリカも中国も体質改善を必要としているので、今回の不況も長引くであろうと考えるわけです。 ■
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by masaya1967.7
| 2008-12-08 15:35
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