2007年 05月 12日 ( 2 )

6カ国協議「再考」

 南北朝鮮、アメリカ、日本、中国、ロシアで6カ国協議を開いて、北朝鮮の核問題を話し合うというモデルの先例になったのは、米ソ冷戦中の「ベルリン問題」にあった。キッシンジャーの『外交』には次のように書いている。

 「ソ連邦が支配する領域内に深く入り込んだ飛び地としてのベルリンの法的地位は、第2次世界停戦の4戦勝国に占領されているとの法的な擬制に基づくものであった。したがって、ベルリンに関する交渉は、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連邦によって行われる必要があった。したがってソ連邦の指導者とブラント(彼のきわめて有能な側近であったエゴン・バールを通じて)は、膠着状態を打開するための助けをアメリカに求めた。複雑な交渉の結果、1971年夏に4大国の新たな合意(ベルリン協定)が成立し、西ベルリンの自由と同市への西側へのアクセスが保証された。それ以降ベルリンは国際的な紛争地域のリストから消えたのである。ベルリンが国際的な問題として次に登場するのは壁が取り壊され、ドイツ民主共和国(東ドイツ)が崩壊したときである。」下巻 407ページ

 このように2+4という枠組みが出てきたのは、デタントの一環だったのである。そこで北朝鮮に核放棄の意思があり、さらに南進を完全に放棄するのならこのデタント戦略は意義あるものとなるのだが、現時点では韓国が北朝鮮に対して一方的に譲歩している。結局2+4の枠組みが真に有効になるのは北朝鮮が崩壊して南北統一が完成し周りの大国がそれを保障する時点においてではないか。
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by masaya1967.7 | 2007-05-12 23:36

久しぶりの朝鮮半島

 『朝鮮日報』より

 『北朝鮮の核問題がバンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮資金移転問題で進展しない中、米国と日本で現在の交渉姿勢を非難する声が高まっている。中国も合意の実行に着手しない北朝鮮に圧迫を加えているとの分析もなされている。

 ニューヨーク・タイムズは9日付のコラムで、「北朝鮮が忍耐力を試している」「6カ国協議での合意に明記された核の無能力化と廃棄、非核化が何を意味するのか具体的な内容もない」とホワイトハウスを非難した。ワシントン・ポストは8日付の社説で米国が北朝鮮の要求によりBDAに凍結された資金の全額についてその出所を問わず解除したが、問題はまったく解決していないとし、「北朝鮮は米国財務省が国際金融市場に打ち立てたルールまでも破壊しようとしているのにブッシュ政権は沈黙を守っている」と指摘した。

 米国政府のある関係者は「BDA問題が解決してもその後は北朝鮮による核プログラム報告、核施設閉鎖、さらには経済支援や韓半島(朝鮮半島)平和交渉、米朝関係正常化など、それこそ戦略的決断が必要な問題が数多く残っているが、北朝鮮が毎回問題を指摘し要求を増やせばどうやって進展させるのか予測もできない」と指摘した。

 雰囲気が悪化すると意欲的に核問題解決に取り組んできたヒル国務次官補も、「結局北朝鮮にだまされた」という強硬派の批判に直面しており意欲を失いつつあると伝えられている。ヒル次官補は4日にジョンズ・ホプキンス大学大学院主催の韓米関係についての講演で、「6カ国協議での合意が年内に履行されなければ自分はこの地位にはいないだろう」とも語った。

 昨年の北朝鮮によるミサイル発射や核実験以降、北朝鮮に対して独自の制裁措置を行ってきた日本も、北朝鮮が6カ国協議での合意内容を実行に移さなければ追加の制裁発動を検討していると読売新聞が10日付で報じた。

 日本が検討している追加制裁案はぜいたく品や大量破壊兵器関連品目に制限されてきた輸出禁止措置を全面輸出禁止に拡大し、入港禁止船舶を北朝鮮船籍から北朝鮮を経由した第3国の船舶にまで拡大して、15の団体と一人の個人に限定されていた送金禁止対象を拡大するという内容を含んでいる。

 中国も北朝鮮に初期段階措置の実行を促すために貨物列車の運行縮減などの圧迫を加えていると麻生太郎外相が明らかにした。』

 私はアメリカが北朝鮮に対してこんなに譲歩するとは思っていなかった。不明を詫びるしかない。しかしながら北朝鮮に対して譲歩してもあまり意味がないと思っていたから、このような結果になったのは全然驚くにあたらない。6カ国協議の信頼性は限りなくゼロに近い、この協議で北に核放棄を迫ることは本当にできるのだろうか。

 北朝鮮に核を放棄させることと、日本人拉致被害者が全員帰国できるのはやはり北朝鮮という国家がこの世から無くなったときではないのだろうか。

 
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by masaya1967.7 | 2007-05-12 04:36