2007年 05月 29日 ( 1 )

憲法改正の挫折

 このところ、各種の世論調査で憲法改正の賛成の比率が下がってきているという。そのことで、最も納得できる理由は、日本人がアメリカのイラク戦争を見てもし憲法改正を今行ったら、日本もこのような戦争につきあわされるのではないかという畏れによるものだというものである。

 私はこのような状態になったのは、大部分岡崎久彦を中心とする親米派のせいだと思っている。解説しよう。

 まず最初に日本は何故アメリカのイラク戦争に賛成したのだろう。エマニュエル・トッドは次のように述べている。

 「日本政府がアメリカの行動を受け入れた理由は、日本の地政学的孤立によって大方説明がつく。ドイツはヨーロッパの中に包含され、一応は核武装大国であるフランスと手を結んでいるため、非常に弱体化したロシアと協調することができ、戦略的犠牲を払うことなしに、アメリカの統制を逃れることができる。日本の方は北朝鮮問題とアメリカ合衆国にかわる地域同盟者がいないことを考慮しなくてはならない」

 同じようなことは、片岡鉄哉もいっていたように思う。結局、日本は自主防衛ができない。そこで将来、北朝鮮や中国の問題で危機に直面したら、アメリカしか頼みとなる国はいない。だからイラク戦争は侵略かもしれないが、支持するしかないのだという論理だった。

 ちょうどその時、岡崎久彦は新聞紙面で次のように書いていた。

 「イラク攻撃に成功すると、世界情勢は全部変わる。なにをもって成功かというと、イラクに民主主義親米政権ができることだ。そこまでいくと、今度はパレスチナ問題も解決するかもしれない。民主主義勢力とイスラム宗教界が拮抗しているイランも、大きく影響され、イランの変化は中東全体が変わる契機となる。中東だけではない。北朝鮮は震え上がり、中国もおとなしくなる。台湾問題も、中国側が引っ込む形で解決する可能性がある。つまり、イラク攻撃が終わったところで、9・11の真の結果がでてくる。成功の可能性は90%あると思う」

  “What a wonderful world”である。

 しかし、岡崎久彦の予測は100%間違っていた。イラクが泥沼になったことで、あろうことかアメリカは北朝鮮に大きく譲歩しそうな勢いで、アメリカを支持した日本が孤立しそうな情勢である。

 何が間違っていたのだろう。やっぱり日本は自主防衛に向かって努力するべきだったのではないだろうか。仮に日本が英・仏のように核武装していたら、今回のアメリカのイラク戦争に賛成したのだろうか。ヨーロッパ大陸諸国のように反対になっていた可能性が高い。軍事力とモラルはやっぱり関係あるのだ。

 
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by masaya1967.7 | 2007-05-29 02:40